2010年1月7日木曜日

競馬論文1の掲載決定



競馬に関する最初の論文Exact Scale Invariance in Mixing of Binary Candidates in Voting Modelの学術雑誌への掲載がやっと決まりました。長かった。この論文がパスするかどうかで、「競馬研究が物理になるかどうか」の瀬戸際だったので、うれしいです。この論文のアーカイブの更新履歴は次のようになっています。

[v1] Sun, 1 Jun 2008 23:26:20 GMT (61kb)
[v2] Fri, 19 Sep 2008 02:25:18 GMT (227kb)
[v3] Thu, 20 Nov 2008 01:42:10 GMT (163kb)
[v4] Tue, 2 Dec 2008 01:43:18 GMT (163kb)
[v5] Thu, 26 Feb 2009 00:14:48 GMT (164kb)

流れとしては2008年の6月にv1が完成し、勝ち馬と負け馬の混合が示すスケール不変性(図に示したもの、赤が勝ち馬、青が負け馬で右端からの累積比率がお互いのベキに従う。図はデータから作成)と投票モデルの二重スケーリング極限が示す厳密なスケール不変性という数理の結果が面白かったのでPRL(Physical Review Letter)に投稿したら、「物理の人間にウケるとは思えない」という理由で専門家のレビューアーに行く前の編集部の段階でリジェクト。そこで、JPhysA(Journal of Physics A)に論文形式で投稿すると、二人のレビューアーの意見が割れて(一人は「なんじゃこりゃ」、一人は「まあいいんじゃない」)、v2、v3を経て第3のレビューアーが登場し、彼の意見(「二人の意見はどちらも正しい」)で完全に書き直して出せでリジェクト。v4を再投稿すると、第3のレビューアーがまだ足りないと言ってv5を用意。けれど、結果はリジェクト。さすがに外人とやりあうのが嫌になってきたので、今度は日本人がレビューするだろうと踏んでJPSJ(日本の物理学会誌Journal of the Physical Society of Japan)に投稿すると、(おそらく)外人さんがレビューしてくれて、2度ほど修正して、やっと2010年の1月6日に掲載許可の通知をいただくことが出来ました。

実に1年半以上。計6回の修正で最初は10ページほどのレターの論文が最後は20ページとなっています。まあ、めでたしめでたし。疲れましたが。

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